お手伝いは、親子が触れ合いながら生活スキルが身につき、自信もつく等、たくさんメリットがありますよね。
母学アカデミー学長・河村京子さんの著書には、「お手伝いには、段取り力や自分の能力の使い方についてなど、『考える』機会がたくさんあります」「お手伝いが仕事に昇格すると、『考える力』もアップ」とあります。
特に料理は段取り力に良さそうですが、危ないし余計な時間もかかって大変。
皆さんはやらせていますか?
料理も宿題もしない小1男子を、突然お味噌汁係に任命
小学生になると毎日宿題をやらせるだけでも一苦労。
問題なくやる子や学童で終わらせて来る子もいますが、息子は遊んでばかり。
夕飯、お風呂、寝る時間、下の子にも影響が出ます。
そこで、慣れれば夕飯が早くできるかもと、「夕飯作りは皆で協力しようか。でも一緒に一つの物を作るんじゃなくてS(息子)がお味噌汁、C(娘)がごはん、ママはおかず担当」と提案すると、意外に乗り気。
「お手伝いじゃなくて『仕事』だよ。S(息子)が作らなかったらその日は全員味噌汁なし」と、責任をもたせました。
宿題だけでも大変なのに、宿題に加えてお味噌汁作り。
さらなる時間と労力を要しそうです。
最初から全部は無理なので、緩和ルールも密かに設けました。
・お味噌汁の担当者は息子なので、ママはお手伝い
・いろいろ予定が入る土日はやらない
・具材準備はママに頼んでも可(ダシとりと味噌入れは最低限やる)
・煮干しの袋等は片付けてなくてもOK(片付けるべきだけど多くを求めない)
「段取り力」や「考える力」が身につくのは本当だった
その後特別な日を除き、お味噌汁係はかれこれ1か月半も継続。
仕事なのでやらされている感がなく、主体的にやります。
時間がない時は、「やさいはじかんかかるから、とうふとあぶらあげにする」と、小1でも考えて工夫します。
そして、段取りや時間管理を考えるようになると、想定外の効果も出ました。
散々言ってもやらなかったのに、「ダシとってる間に宿題やる!」と10~15分のダシ時間でやるようになり、さらには、「あと〇分で朝ご飯、〇分までに着替えと歯磨き」と自分で考えるようになった結果、毎朝遅刻ギリギリだった彼が、自ら早く登校するようになったのです!
おまけに3歳の娘も、苦手だったお味噌汁を今では完食します。
彼はインドア派で工作などが好きなので、料理が合っているのかもしれません。
子どもにはそれぞれ得手・不得手があるので、家事の中でもお子さんができそうな「仕事」を見つけてやらせると、意外な波及効果が表れるかもしれないですよ。
<出典>
「わが子が東大・京大に現役合格! 子どもの学力は12歳までの『母親の言葉』で決まる。」河村京子/大和出版 P.198
執筆:カサンド蘭子
7歳男児、3歳女児、44歳夫と4人家族で、育児・家事に翻弄される毎日。13年勤めた会社を退職後、現在は月刊誌の取材・執筆・撮影に携わる。一方で子どもに関わる社会問題にも関心を寄せる。好きな食べ物はマカロン。