人間力を育てる! 子供の成長に必要な父親の子育てとは?

投稿日:2021-03-11 更新日:

人間力を育てる!子供の成長に必要な父親の子育てとは?

積極的に子育てを楽しみ、自らも成長する男性を指す「イクメン」という言葉は、すっかり浸透しました。厚労省は、男性の育児休暇取得率を2017年度には10%、2020年度には13%に引き上げることを目標としています。

子育てにおける母親の重要性はいうまでもありませんが、研究の結果、父親も子供の言語能力や精神的発達に重要な役割を果たしていることが明らかになってきました。そのため、父親が育児に参加する重要性も見直されています。

しかし、いざイクメンになろうとしても「子供とどう接したらいいのかわからない」という父親が多いのも現実です。

そこで今回の連載では、子供を伸ばす父親の子育てについてお伝えします。

父親と母親の違いを知ろう

人間力を育てる!子供の成長に必要な父親の子育てとは?

母親には母親の、父親には父親の役割がある

子供にとって母親は「母性」といわれるように、優しさや思いやりを象徴する存在です。また、母親の胎内にいたこともあって「体感的」「感覚的」な関係でもあります。
一方、父親は「父性」といわれるように、強さや厳しさを象徴する存在です。父親は生まれてから初めて接するため「道義的」「信義的」な関係になります。つまり、父親は意識的に関係をつくらなければならないのです。

子供は、母親の顔を見ると脈や呼吸が少なくなり、父親の顔を見ると脈や呼吸が増えることがわかっています。
つまり、母親には癒やされることを期待して心が落ち着くのですが、父親には緊張してしまうのです。
そのため、子供はストレスを感じたとき、不快な思いをしたときは母親を頼ります。泣き出した赤ちゃんを父親がいくらあやしても泣きやまないのに、母親があやしたらすぐに泣き止むのは、この心の動きに関係しています。

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ところが、近年、この父性が失われつつあります。「威厳のある父親」という存在が古い価値観のように思われ、否定的に捉えられることが増えていることも大きく影響しているようです。威厳とはかけ離れた「イクメン」というライトな言葉からくる父親のイメージも、こうしたことに拍車をかけているのかもしれません。

しかし、父性と母性の両方をバランスよく与えられることが、子供にとってはとても大切なのです。どちらか一方だけでは、脳の発達が遅れたり、心の発達のバランスが悪くなったりしてしまいます。近年、こうした原因からきちんと成長できていない子供が増えたことで、少年犯罪やいじめ、引きこもりといった問題の原因になっているのです。

父親の育児参加というと、おむつの交換など身の回りの世話を手伝うことだと勘違いしている方がいますが、それは母親の育児の手伝いに過ぎません。父親には父親の役割があることをまずは理解してください。

もちろん、育児の手伝いも重要です。育児で毎日大変な母親への気遣いをすることも、父親の大切な役割なのです。

乳児期で大切なのは話しかけること!

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生まれてから3歳ころまで、父親のすべきことはとにかく積極的に話しかけることです。父親が話しかけることで、乳児の脳は刺激を受け、社会的発達、精神的発達、知的発達によい効果を与えることがわかっています。話しかける内容はなんでもかまいません。とにかく父親の言葉を聞かせることがとても大切なのです。

実際、2歳の子供を持つ共働き夫婦を対象にした米ノースカロライナ大学の調査によれば、「子供に積極的に話しかける父親の子供は、あまり子供に話しかけない父親の子供に比べ、3歳時点の言語能力が遥かに発達していたという結果がでています。

また、米バージニア大学の研究チームによれば、「うつ病の父親の子供は、そうではない父親の子供に比べ、使用する単語の語彙が少ない」そうです。

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また、誕生から3歳ころまで、脳の「扁桃体」と呼ばれる部分がよく働きます。扁桃体は「好き・嫌い」という感情をつかさどる部分です。つまり、この時期は扁桃体に「周囲の人(親や兄妹)が好き」という感情をもたせることが重要なのです。

そのため、話しかけるほか、「ほめる」「見つめる」「微笑みかける」「頭を撫でるといったスキンシップ」も心がけましょう。こうした行動によって、扁桃体に好きという感情が残り、その後の子育てに好影響を与えるのです。

実際のところ、朝早く出社して夜遅く帰宅するため、なかなか話しかけられないという方が多いとは思いますが、たとえば、週に1回は早く帰宅する、休日は子供とのコミュニケーションに使うなど、できるだけ時間を作って積極的に話しかけるようにしましょう。

どうしても早く帰れない場合や単身赴任の場合は、テレビ電話を使って話しかけるのもひとつの手です。テレビ電話はスマートフォンのアプリを使えば無料ですので、通信料金を気にする必要もありません。

なにごとも最初が肝心といいますが、それは子育てにもあてはまります。3歳までの育児における父親の役割は“積極的に話しかけること”と心得ておきましょう。

子供に社会を教えるのは父親の役目

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幼児期はとにかく一緒に遊ぼう!

3歳ごろから、脳の前頭葉という部分が働きはじめます。前頭葉は人間らしさをつかさどる部分のため、身近なモデルである父親と母親を見本に、子供は成長します。
つまり、モデルとなる母親と父親が、すてきな人間らしい人物であれば、子供もそのように成長するのです。ですので、この時期の親との関わり方は非常に重要になります。

まず、幼児期になると、子供の行動範囲は飛躍的に拡大します。と同時に、親は幼児の行動に制限をかけなければなりません。子供の安全のためであることはもちろんですが、自由に行動できるのに制限をかけられるという葛藤によって、子供は他者との共存や問題の解決方法について学習するのです。

子供は遊びを通じて社会について学びますので、父親は一緒に遊んで子供に制限やルールを守るようにさせましょう。遊びを通じて、ルールの遵守、仲間との協力、感情のコントロールを子供に教えるのは、父親の役割です。

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子供は遊びの達人です。自由な発想で新しい遊びを思いつきます。遊びのルールも自分で考えますが、自分に有利なルールを勝手に作ったり、途中で変えたり、ルールを破ったりすることも珍しくありません。
そんなときは、それは「ずるいこと」「悪いこと」だときちんと教えましょう。こうすることで、公平性やルールを守ることの大切さを理解し、社会性がしっかり育っていくのです。

また、子供と遊ぶとき、父親は得てして子供を軽く投げ飛ばしたり、振り回したりと荒っぽく扱います。母親としては気が気でないと思いますが、安全が確保されたなかでこうした荒っぽい遊びをすることも子供の成長にはとても大事なので、度を越えたものでないかぎり、口を挟まないようにしましょう。

いくつかの研究結果から、幼児期に父親と一緒にたくさん遊んだ子供は、言語能力や認識能力が向上し、知能指数が向上することがわかっています。
ただし、遊ぶときにひとつ注意して欲しいことがあります。なんでも父親が主導権をとってしまわずに、子供の主体性も尊重し、自分で考えさせたり、やらせたりすることも忘れないようにしてください。

これは、子供が成長してからも同じことがいえます。一緒にスポーツで汗を流したり、釣りを一緒に楽しんだりするなど、父親と一緒に遊んでいる子供の方が、成績もよくなるのです。

週に3回は夕食を一緒にとろう!

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子供が小学校に通い始めたら、父親の役割はさらに重要になります。この時期は知的好奇心や記憶力が飛躍的に高まるのです。
この時期に父親が子供と過ごす時間が長い子供は、父親と過ごした時間が少ない子供に比べて、知能指数がはるかに高くなるということが各種調査で判明しています。

「そういわれても、具体的にどんなことをすればいいのかわからない…」といった方も多いと思いますので、ひとつ実例をあげて説明します。

まず、とても大切なのが、夕食を一緒にとるということです。各種調査から、ひとりで夕食をとる機会が少ない子供は、ひとりで食べる機会の多い子供と比べて、学力が高くなることがわかっています。

そういわれても、なかなか仕事で早く家に帰れないという方が多いと思います。ですが、たとえば週1日だけでも早く帰宅することはできないでしょうか? たった1日でも帰宅を早め、夕食を一緒にとることで、土日が休みであれば、週3回は夕食を一緒にとることができるようになります。

もちろん、ただ一緒に食卓を囲むだけでは意味がありません。子供の学校の話、友達の話などを聞き、父親も仕事の話をしたり、ニュースを話題に世の中のできごとや仕組みについて話したりしましょう。
幼い子供にこうした話を聞かせても仕方がないと思うかもしれませんが、父親のこうした話によって、子供は社会を知り、視野を広げ、職業観を持つことにつながるのです。

このとき、できるだけわかりやすい言葉で話すことを心がけましょう。どこまで理解できているかはわかりませんが、父親のこうした話を通じて社会を知った子供は、父親の仕事を尊敬し、自分が将来就きたい職業を具体的に語るようになるのです。

また、一緒にお風呂に入ることもおすすめします。夕食には間に合わなくても、お風呂の時間なら帰宅できるという方は多いはずです。お風呂は子供と話しながらスキンシップもとれるので、まさに一石二鳥なのです。

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仕事のシフトの関係や単身赴任など、どうしても一緒に夕食がとれない場合、さきほど紹介したテレビ電話をかけましょう。小学校低学年になると、父親が忙しいことはなんとなく理解しているものです。

そんな父親が、仕事の合間を縫って電話をかけてきてくれると、子供は「自分のことをちゃんと気にかけてくれているんだ!」と自分への強い愛情を感じるのです。愛情を感じれば、子供の心は充足感、幸福感で満たされます。幼少期のこうした経験が、のちの親子関係にもよい影響を与えるのです。

子供はその日にあったことを話したくてうずうずしているもの。そんなとき、父親から電話があっていろいろ話すことができると、心が安定します。逆に子供を顧みずに、仕事一辺倒でろくに話もしない父親だと、子供の心は愛情不足に陥り不安定になってしまうのです。

子供は“ほめる”のが基本

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子供との会話で気をつけたいこと

子供との会話では、基本的に「ほめる」ことを意識しましょう。子供は親に評価されると喜びを感じ、やる気が生まれます。逆に叱られると萎縮してしまいます。

ほめるときは、具体的にほめるとさらに子供の喜びは増します。成績が伸びたら「がんばったね」ではなく、「毎日勉強した成果だね」といった具合に、理由もつけてほめるようにします。

そして、気をつけたいのが、「頑張れ」という言葉です。励ましのつもりで使っている方が多いと思いますが、子供は父親に「頑張れ
といわれるとプレッシャーを感じてしまうのです。同じ理由で「勉強しなさい」「宿題は終わったのか」といった言葉もプレッシャーになるので避けたほうがいいでしょう。

励ますのであれば「思い切りやってこい」「楽しんでこい」といった方が効果的です。宿題が気になるのであれば「今日の宿題はなに?」と会話を切り出し、たとえば漢字の書き取りだったら「もうそんなに漢字を覚えてるんだ。すごいね」というように、やる気を引き出す会話を心がけましょう。

また、基本的に子供の能力を信じる姿勢も重要です。特に自分が高学歴で優秀だった方は、自分が子供時代にできたことをできない子供に対して「お父さんはこんなことかんたんにできたぞ」「ダメな子だ」などと言ってしまいがちです。こうした言葉は、子供を深く傷つけますので絶対に使わないようにしてください。

子供時代の自分と比較するのと同様に、兄弟姉妹と比較するのも厳禁です。子供は兄弟姉妹と比較されることを大変な屈辱だと感じます。場合によっては、兄弟姉妹の仲が悪くなる原因になってしまいますので、絶対にやめてください。

子供のイベントとの関わり方

子供のイベントの関わり方も大切です。父親参観や運動会などの学校行事には、会社を休んででも参加しましょう。子供は、父親が仕事で忙しいことは理解しています。そんな父親が自分のために会社を休んで来てくれたということに、子供は自分への大きな愛情を感じるのです。

逆に積極的に参加しない方がいいイベントもあります。それは、子供の習い事に関するイベントです。たとえば、サッカー大会やピアノの発表会といったものに、毎回毎回行っていると、逆に煙たがられてしまいます。

人間力を育てる!子供の成長に必要な父親の子育てとは?

子供は親や学校を離れ、新しいコミュニテイーのなかでコーチや指導者のもと、自分で上達しようと努力しているのです。
そこに、毎回父親が現れては台無しというほかありません。
最悪なのは、大声でアドバイスをしたり、コーチや指導者のやり方に口を出したりすることです。子供はそんな父親を恥ずかしく思い、嫌われる原因になってしまいます。

ただし、子供が上達せずに悩んでいたり、失敗して落ち込んだりしていたら、優しく慰め、励ましてあげるのも父親の役割です。子供の習い事との関わりはこの程度で十分です。自主性を重んじ、子供のやりたいように自由にやらせることで、いい結果につながるでしょう。

子育てと本は切っても切れない関係

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子育てのなかで、もっとも重要なアイテムは「本」です。
まず、幼少期は膝に乗せたりベッドで腕枕をしたりして本を読み聞かせましょう。本を読み聞かせることで、表現力が豊かになり、想像力・思考力・集中力も養われます。
子供は何度でも同じ本を読んでもらいたがりますが、そんなときは飽きるまで希望通りの本を読んであげましょう。子供がその本を理解すると、自然と別の本をせがむようになります。

読み聞かせる時期が終わったら、今度は自主的に本を読む環境を整えましょう。本棚はできる限り家族の集まるリビングに置き、本を目につく場所に置くことがポイントです。

また、子供が読書をするようになるには、身近なモデルが必要になります。もちろん、このモデルとは両親のことです。つまり、子供に本を読ませるには、自分が本を読む姿を見せなければなりません。

人間力を育てる!子供の成長に必要な父親の子育てとは?

同時に、読書は心地よいもの、楽しいものという記憶も必要です。それは、親の膝の上や腕枕で読み聞かせてもらった幼少期の記憶にほかなりません。つまり、本を読んでしっかり学ぶ子供にしたいのであれば、読み聞かせがとても大切なのです。

子供は本を読むことで使える言葉や表現が増えるほか、想像する力が育まれ、抽象的な思考能力が高まり、感受性が豊かになり、人の気持ちがわかるようになるといった効果が見込まれます。
そのため、幼いころから本を読んでいる子供は、本を読まない子供よりも学力が高い傾向があるのです。

また、子供の質問に対して答えられないときは、辞書や図鑑、百科事典などで調べることも大切です。
「インターネットがあるのに、そんな面倒なこと…」と思う方が多いと思いますが、インターネットはかんたんに調べられる反面、記憶に残りにくく知識として身につきません。
また、かんたんに答えがわかるので、子供に楽をすることを教えることにもつながります。

辞書を引いたり、図鑑を調べたりすることは面倒かもしれませんが、その分、答えが見つかったときの喜びも大きいものです。こうした体験を繰り返すことで、子供の好奇心も刺激され、調べることの楽しさを知ることができます。

インターネットの普及で、辞書や図鑑、百科事典が家にないという家庭も増えていますが、子供の教育を考えるのであれば、これらは用意しておくことをおすすめします。

思春期の子供との接し方

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小学校高学年からはじまる思春期

一般的に思春期のスタートは、男の子で小学校4年~6年生、女の子で小学校2年生~4年生といわれています。
「第二次性徴」「第二反抗期」「アイデンティティ(自我同一性)の危機」からはじまり、情緒的に不安定になります。母親の愛情を鬱陶しく感じはじめる時期ですので、母親はそれまでよりも一歩引いた接し方が必要になります。

一方で父親の話には興味を持つようになります。ですので、父親はできるだけ会話するように心がけましょう。そのとき、「ほめる」という基本は忘れないでください。精神的に不安定な時期ですので、子供のプライドを傷つけるようなことをいってしまうと、問題行動の引き金になってしまいます。

中学生になると、部活動での先輩との関係、異性との関係、両親との関係など、自分が何者なのかがわからなくなり、心が混乱しやすい時期になります。
また、単なる遊び友達から、価値観を共有できる親友を求めるようになります。親が望まない悪友と付き合いはじめることもあり、親と対立する原因になります。携帯電話を欲しがる子供と衝突することもあるでしょう。

そして、中学校3年生になると、異性への興味が増すと同時にもてあます性欲との激しい葛藤がはじまります。また、進路を真剣に考えるようになり、成績がよくない子供は見通しのたたない不安にさいなまれ、荒れることもあります。

父親として、子供のこうした心境の変化を理解し、子供の思いや悩みに興味を持つことが重要になります。息子であれば男同士の話として、性のことを話す必要が出てくるでしょう。娘の場合は、「臭い」「嫌い」などといわれてショックを受けるかもしれません。しかし、これは正常な成長の証ですので、気に病まないようにしましょう。

人間力を育てる!子供の成長に必要な父親の子育てとは?

特にこの時期に気をつけたいのが夫婦関係です。この時期の子供は、母親を通して父親との関係性を感じ取ることが多いので、夫婦関係がうまくいっていないと、子供にも悪い影響を与えます。
母親と家族を大切にし、母親から愛され信頼されている父親は、子供からも信頼されます。特にこの傾向は母親との結びつきが強い娘に見られますので、娘との関係がうまくいかないと悩んでいる方は、まずは母親との関係について考えてみてください。

家族のことは家族会議で決めよう

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思春期の子供を持つ家庭で多い悩みのひとつは、携帯電話やパソコンなどを欲しがる子供に与えるか否かではないでしょうか。こうした場合、必ず家族会議を開いて子供の主張を聞き、父親から具体的にどんな心配をしているかをハッキリ伝えましょう。

そのうえで、使い方や使う時間といったルールを決めます。破った場合の罰則もあらかじめきめておきましょう。また、料金の話もきちんとしておくべきです。

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パソコンを欲しがった場合は、リビングに置き、使える時間を決めるのが鉄則です。インターネット上には、有害な情報がたくさんあるのが現実です。子供部屋に置いてしまうと、親の目の届かないところでそうした情報にアクセスする可能性が高まりますので、「有害な情報があるからリビングで使って欲しい」と正直な思いを話しましょう。

ここをぼかしてしまうと子供は納得できず、かえってそうした情報に興味を持つようになってしまいます。

家族会議はなにもこうした話だけに限りません。
たとえば、夏休みの旅行にどこに行きたいか、新しく買うテレビはどんなものがいいか、といったことでも、家族で話し合う習慣をつけましょう。こうすることで、子供は自分の考えを整理してはっきり話せるようになり、相手の意見を聞いて取り入れることもできるようになります。議長は父親の役目ですが、話題によっては子供にまかせてみるのもいいでしょう。

父親らしさとは?

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「父親らしく」と言われると、なんだか構えてしまいますが、ポイントは子供としっかりコミュニケーションを取ることに尽きます。
これまで見てきたように、幼少期から父親と正しいコミュニケーションを取っている子供は、成績がよく、心も安定していることがわかっています。つまり、子供を成長させるのは父親の役割なのです。

また、社会の規範を自分で示さなければなりません。たとえば、「約束は守れ」といっている父親が約束を守らないのでは、子供がいうことを聞くはずもありません。つまり、子供の教育を通じて、自分のことを見直すことになり、自身の成長にもつながるのです。

現代では、父親の背中を見て育つという価値観は古いものかもしれません。しかし、実は堂々と背中を見せられる父親こそ、現代の子供たちには必要なのです。「イクメン」という軽い言葉に惑わされず、しっかりとした威厳のある父親になってください。

【参考文献】
『8歳で脳は決まる! 子供を救う父親の力』(河出書房新社) 平山諭著
『頭のいい子が育つパパの習慣』(PHP文庫)清水克彦著
『父親の品格』(ダイヤモンド社)川北義則著


【ライター】小日向 淳(フリー編集・ライター)
家計の節約術から資産運用、老後資金、相続対策などを中心に構成から執筆までを手がける。
『法改正対応 バッチリ相続まるわかり 2015-16年版』(学研マーケティング)/『これで安心! 月5000円からはじめる老後資金の作り方』(宝島社)/『親の入院・介護で困らない!)』(宝島社)ほか、書籍、雑誌、ムック、Web記事など多数。

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